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名鑑WEB ワンポイントアドバイズ

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*「印章の基本的な読み方」

印章の文字は基本的に篆刻文字を使用し、その分類も小篆・印篆・金文・古タ体の4つに分類される。
また、草書・行書体を使用した印もあるので、印を読むにはその全ての書体を覚えていく事となるが、その覚え方としては、コンパクトな篆刻字典を1冊携帯しそれをサポートとして名鑑WEBと照らして、とにかく読み慣れる事が一番です。読めなかった字も数をこなすと色々読めて来る様になり、また一つ違った感動があります。

印章の読み方向は左の例の2種類が基本です。左は「皇都圓氏」(丸山応挙印)。右上から縦に読みます。右は「渥契縁印」(渥美契縁印)。「印」は印章の最後に書かれる字なので右上から反時計回りに読みます(回文読)。その他例外もありますが、基本的にはこの2種がほとんどです。

*「印章を合わせる」

1、 住吉広尚の印(印名「住吉廣尚之印」)

左:検証印 右:真印
ほぼ間違いないように思われますが「住」イと主の感覚が狭く、
廣の田が角張っていますまた外枠と内枠の感覚が狭く、
総合的に擬印とみられます。
1、池 大雅の印(印名「池無名印」)

左:検証印 右:真印
「池」の三の偏を篆書では水と記しますが、左の検証印が
若干カーブが大袈裟です。
また「無」の頂点がセンターからずれています。
「名」の角のカーブも丸めで、「印」も3つの丸の右端がずれています。
長い経過年を費やした落款は下地の縮みも加わり若干小さくなったり
扁平になったりしますが、それを考慮してもこの印章は明らかに模擬で
ある事が分かります。
2、池 大雅の印2(印名「霞樵」)

これも大雅の印章で、左が検証印です。
出来は良いですが、「霞」の又部「樵」の木偏が違うことが分かります。

上記検証印の作品は、時代も古く、某オークションで江戸期の鑑定の
添物付きで出品されました。

(国)池 大雅
taiga ike
3、榊原紫峰の印(印名「紫峰」「紫峰印信」)

左右共検証印

紫峰の作品は、昭和初期から模造品があり特に現在ではそれらの作品も
適度な時代感で、一見違和感なく真作に見えるものがあります。

左の「紫峰」印は、真作には無い印影で、この作品には「紫峰」の落款も明
らかに違う書体でした。当時の模造印です。
右は昭和初期頃の品物に捺印されていましたが、真印の「紫峰印信」に比べ、
「糸」のバランスが違います。品物は良く描けていましたが当時の画学生による模写品でした。

榊原紫峰
Shiho Sakakibara
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