(国)渡邊崋山(渡辺華山)
Kazan Watanabe

日本画, 南画家, 蘭学者

1793 ( 寛政5 )〜 1841 ( 天保12 )

本名:定静
通称:登
字:伯登、子安
号:華山のち崋山、全楽堂、寅絵堂、昨非居士、隋庵居士、寅画斎

【出身地・師系】
三河国(愛知県)/谷文晁

【所属・任】
田原藩士

【略歴・作風など】
三河国田原藩士の子として生まれるが父が病弱であった為、幼少時より得意な画をもって生計を助けていたと言われ、その後16歳のときに藩江戸屋敷に出仕しその際、江戸の金子金陵及び金陵の師である谷文晁に画の才能を引き出され、また、その一方で鷹見星皐、松崎慊堂らから朱子学を学び、昌平坂学問所にも通って佐藤一斎にも指導を受けている。
また、藩政に於いても年寄役末席(藩役人)となり格高制導入や農政改革、倹約節制などを行うなど改革に貢献、また、蘭学者の長英や小関三英、幡崎鼎、幕臣の川路聖謨、羽倉簡堂、江川英龍などと共に海防問題などで深く議論するなど蘭学者のリーダー的立場でもあった為、保守派(朱子学派)の鳥居耀蔵らから目をつけられて幕府の海防を批判する内容の「慎機論」により幕府批判の罪により田原で蟄居、またこの事件の翌々年に自害。
画では師の谷文晁同様に南画文人画を基本としながらも人物肖像画などでは陰影を巧みに用いて高い写実表現の西洋画風を加味しており独自の画境を確立。
門下には椿椿山、福田半香、山本琴谷、岡本秋暉などがおりいずれも大成している。

代表作に「絹本淡彩鷹見泉石像(国宝指定)」「一掃百態」「滝沢馬琴像」「佐藤一斎像」他。

*「島津華山」「横山華山」との混同に注意。

〔主な作品所蔵館〕
東京国立博物館/京都国立博物館/山形美術館/群馬県立近代美術館/飯田市美術博物館/大和文華館/福岡市美術館/北九州市立美術館など

〔印 名〕
「登」 「崋山」(「華山」) 「崋山樵者」 「邊静」(「辺静」) 「模古」 「渡邉登印」 「鷗保」(「鴎保」) 「崋山戯墨」 「全樂堂記」 「伯登氏」 「全楽堂文庫」 「読書□者印」 など

〔市場評価〕★★★★★〔年鑑評価額〕6500万

関連: 島津華山 佐藤一斎 横山華山 福田半香 山本琴谷 金子金陵 岡本秋暉 (重)谷 文晁

落 款 ・ 印 章



















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